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本から元気をもらおう!本気モード

 当社がお世話になっているコンサルティング会社に所属する「“元祖”朝礼コンサルタント!」が、ビジネス社会で生きていくヒントになり、ビジネスのヒントに考え方が豊かになるような本の見所だけをご紹介していく・・・ から元をもらう! 「本気モード」

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第161回 『モチベーション3.0』 ダニエル・ピンク著  講談社

■■ 所感 ■■

著者のダニエル・ピンク氏はゴア副大統領の主席スピーチライターを務めた方
です。

タイトルについて、訳者まえがきがわかりやすいので、ご紹介します。

●原始時代は空腹を満たしたり、生殖など生存本能に基づくものであった
  <モチベーション1.0>。
  工業化社会になってサラリーマン社会ができれば、アメとムチで駆り立て
  られた <モチベーション2.0>。
  (中略)
  次第に機能しなくなり、モチベーションとは何か?を再び問わなければいけ
  ない時代が来ている。現代社会を駆り立てているものは何か?これが本書の
  テーマであり、答えは <モチベーション3.0>である。

つまり、<モチベーション1.0>は生きるためのモチベーションであり、
<モチベーション2.0>は報酬を得るためと、罰則を受けないように行動するモチベーション。受け身ではなく、自主的な…”内発的動機”による、自律して、自ら定めた目的・目標に向っていくのが<モチベーション3.0>という感じでしょうか。

今年に入って読んだ本
「社員をサーフィンに行かせよう」(1月11日送信)
「奇跡の経営」(2月7日送信)
「遊ばない社員はいらない」(3月7日送信)

これらの本で述べられていたこと…上記の本の中では実際の経営者が実体験
として書いてあるもので、人によっては
「そんな上手くいくもんかね。そういう業種だからできたんじゃないの」
と思ってしまうような、特殊なものとして感じてしまう部分があるかもしれませんが、
この本では、それらを学術的裏づけをしてくれる本だと思います。

なので、内容としては、論文的な感じもありますし、上記の本などを読んでいら
っしゃる方にとってみれば、内容としての目新しさはないですが、実際の実験
結果などから、改めて21世紀のマネジメントのキーワードは「自主性」にあると
いうことを強く感じることのできる、良い本なのではないかと思います。

また、必ずしも<2.0>を否定しているわけではなく、20世紀には有用であったこと、問題解決に至る道が明確なもの(ルーチンワーク的仕事)などには現在でも
有用であることなども書かれています。

様々な角度から、<モチベーション2.0>の難点、限界、そして<モチベーション3.0>の重要性を説いてくれています。そのため、同じような話が色々と出てもきます…。

●問題を解いたらお小遣いを与えられる子どもは、簡単な問題を選択しがちになり、学習効果が上がらない。短期的な達成に報酬を与えれば、長期的な学習能力の向上は考慮されなくなるのである。
  外的な報酬が重要視される環境では、多くの人は報酬が得られる局面までしか
  働かない。
  それ以上は働かなくなる。たとえば本を3冊読めば賞品がもらえるなら、多くの生徒は4冊目の本を手に取りはしないだろう。

確かに、「外発的動機づけ」「交換条件での動機づけ」では、報酬がなくなってしまえば動かなくなってしまうし、報酬も徐々に上がっていかないとモチベーションが維持されない…という側面や、逆に「内発的動機」が人間本来の姿であり、それによって知恵が活かされ、効果が上がることなどが”実験結果”としてわかるので、とても納得させられます。

モチベーション3.0の職場を作る方法なども書いてあり(一例としては、”20%ルール”という、一週間のうち20%の時間を、自分で決めた課題に取り組む時間とする…
など)、参考にもなると思います。

いくつか本の中の言葉を紹介します。

●「マネジメントとは、オフィスを歩き回って、社員が出社し、仕事をしているか どうかをチェックすることではありません」と、彼はわたしに語ってくれた。
社員が最高の仕事をできる状況を作り出すことが、マネジメントの本質である。

●それが天職かどうか、その人の仕事ぶりを観察する必要はない。
  ただその目を見るだけでよい。ソースを調合するシェフ、 難しい手術にあたる外科医、船荷の送り状を作成する事務員、みな同じように熱中した面持ちを浮かべ、その仕事に没頭している。
  対象物を見つめる眼差しのなんと美しいことか。
                         W・H・オーデン
 

●<モチベーション2.0>は、利益の最大化を中心にしていた。
  <モチベーション3.0>は利益を否定はしないが、「目的の最大化」を同じくらい重要視する。

●モチベーションを持続させるためにできることがある。一日の終わりに、
  昨日よりも今日は進歩したかどうか、毎日自分に問いかけるのだ。
  (中略)
  小さな進歩を探すようにしよう。
  (中略)
  毎晩眠りにつく前に、小さな質問をしよう。
  昨日よりも、今日は、進歩しただろうか?と。

●ミッションの共有ほど、チームの絆を強めるものはない。
  何か途方もないものを創造することでも、競合他社を圧倒的にしのぐ成果を
  出すことでも、あるいは世界を変えることでも何でもいいが、共通の目的で
  結びつくほどに、グループは心から
  満足できる素晴らしい仕事を成し遂げるようになる。




■■ 心に残った箇所 -本書より抜粋- ■■

●原始時代は空腹を満たしたり、生殖など生存本能に基づくものであった
  <モチベーション1.0>。
  工業化社会になってサラリーマン社会ができれば、アメとムチで駆り立て
  られた <モチベーション2.0>。
  (中略)
  次第に機能しなくなり、モチベーションとは何か?を再び問わなければいけ
  ない時代が来ている。現代社会を駆り立てているものは何か?これが本書の
  テーマであり、答えは <モチベーション3.0>である。

●単純な生産作業であったり、プログラミングなどであれば、それもいいかも
  しれない。しかしそうした作業の多くは中国やインドに行ってしまい、いまや
  先進国に残った作業の大半は付加価値を求め、そのつど違うことをする。

 クリエイティブな作業である。学者の研究によれば、そうした作業では成果
  報酬がむしろマイナスに作用する、ということもわかっている。
  成果を追い求める余り視野が狭くなり、発想に自由度がなくなるからである。
 
  つまり20世紀の経営手法を21世紀の先進国に持ち込むのは「百害あって一利
  無し!」と著者は喝破するのである。(以上、訳者まえがきより)

●「ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合、被験者はその
  活動自体に本心からの興味を失う」と、デシは述べている。報酬によって、
  人のやる気を短期間起こさせることは可能だ━━ちょうど、カフェインの刺激
  によってさらにもう数時間頑張れるように。
  だが、報酬の効果は次第に弱まる。それだけではない。そのプロジェクトを
  続けるために必要な長期的モチベーションが失われるおそれもある。
  デシによれば、人間には「新しいことややりがいを求める傾向や、自分の能力
  を広げ、発揮し、探究し、学ぶという傾向が本来備わっている」という。

 

●外的なインセンティブは、人間はそれに対して必ず合理的に反応する、という
  全体に基づいている。ところが、経済学者でさえ、もうそんなことは信じて
  いない。
  (中略)
 
  人間の奇妙な行動について考えてみるといい。
  たとえ収入が少なくても、明確な目的意識が得られる仕事のために、実入りの
  よい仕事を辞めることがある。たとえそれで稼げる(モチベーション2.0)、
  またはセックスフレンドを獲得できる(モチベーション1.0)見込みがないと
  わかっていても、クラリネットをマスターしようとして週末に練習をする人が
  いるではないか。おやつや賞金がもらえるわけでなくても、パズルを解いて
  遊ぶ人もいるし。

●ルーチンワークなどの、それほどやりがいが感じられない仕事には管理が必要だ。
  一方、非ルーチンワークのように興味を喚起する仕事は、自発性が頼りとなる。

●報酬は行動に対して奇妙な作用を及ぼすのだ。興味深い仕事を、決まりきった
  退屈な仕事に変えてしまう。遊びを仕事に変えてしまう場合もある。

●外的な報酬━━とくに、これをしたらあれがもらえる、という交換条件つきの予期
  された報酬━━によって、第三の動機づけ(内なるモチベーション)が消え去る
  場面を、研究者たちは繰り返し目の当たりにしたのだった。

●短期的な成果にばかり注目し、他人の行動をコントロールしようとするならば」、
  実際には長期的に少なからぬダメージを与えることになる。
  数学の勉強をさせようとして、問題集を1ページ終えるごとにお小遣いを与えたと
  しよう。するとその子はほぼ確実に、短い間なら熱心に勉強するが、長い目で見れ
  ば数学そのものへの興味を失う。

●「人は、他人の意欲をかき立てて行動を促し、そこから利益を得ようとして報酬を
  用いるが、かえって活動に対する内発的動機づけを失わせるという、意図されぬ
  隠れた代償を払う場合が多い」

●ノーベル経済学者を11人輩出しているロンドンスクール・オブ・エコノミクスの学者
  が、2009年、51社の成果主義の給与体系を分析した。その結果、「経済的なインセン
  ティブは……全体的な成績に悪影響を与えるおそれがある」という結論に達した。

●報酬には本来、焦点を狭める性質が備わっている。解決への道筋がはっきりしている
  場合には、この性質は役立つ。前方を見すえ、全速力で走るには有効だろう。
  だが、「交換条件つき」の動機づけは、(中略)
  発想が問われる課題には、まったく向いていない。
  この実験結果からわかるように、広い視野で考えれば、見慣れたものに新たな用途
  を見つけられたかもしれないのに、報酬により焦点が絞られたせいで功を焦って
  それができなかったのである。

●「注文作品は自主的な作品と比べて、創造性の面ではるかに劣ると評価された
  (中略)

 いつもというわけではありませんが、他人のために作品を制作しているときには、
  喜びを感じるよりも、「仕事」をしていると感じることが多くなります。
  自分のために制作しているときは、創作に純粋な喜びを感じて、時間が経つのも
  気づかずに夜どおしでも取り組んでいられます。
  注文作品は、自分を抑えなくてはなりません━━クライアントの希望に沿うように、
  気を配る必要があるからです。

●外的な報酬は、アルゴリズム的な仕事━━つまり論理的帰結を導くために、既存の
  常套手段に頼る仕事━━には効果があると気づいた。
  だが、右脳的な仕事━━柔軟な問題解決や創意工夫、概念的な理解が要求される
  仕事━━に対しては、条件つき報酬はむしろマイナスの影響を与えるおそれがある
  ことも明らかにした。報酬の存在によって、周囲が見えにくくなり、独創的な解決策
  を生み出しにくくなる傾向がある。

●外的な数値だけを重要な目標とし、それを報酬にリンクしたときに問題となるのは、
  たとえ倫理にもとる道であっても、そこへいたる最短ルートを選ぶ者が現れる、と
  いう点だ。
  現代生活につきもののスキャンダルや不正行為の大半は、この「近道」が関連している。
  (中略)
  内発的動機づけによる行動と比較してほしい。
  得られる報酬がその活動自体━━学びを深める、顧客を喜ばせる、ベストを尽くす━━
  であるとき、安楽な近道は存在しない。目的地に達するには、王道を行くしかない。
  ある意味、倫理に反した行動はとれない。
  不利益を被るのは競争相手ではなく、最終的には自分自身だからだ。

●「交換条件つき」報酬やその他の外的な報酬は、危険な副作用を引き起こすおそれの
  ある処方箋に似ている。
  (中略)
  金銭的報酬やきらびやかなトロフィーは、最初は満足感をもたらす快い刺激を与えるが、
  その感覚はすぐに消え去る。その感覚を保ちつづけるために、受け手は、もっと大量に、
  もっと頻繁に報酬を要求するようになるからだ。
  (中略)
  見返りを示すことにより、
  (中略)
  その仕事は好ましくないという合図を送っている。

●金銭的報酬を約束した場合と、コカインやニコチン、アンフェタミンを摂取した場合
  では、人間の脳を観察すると、気味が悪いほどそっくりな反応を見せるということだ。

●問題を解いたらお小遣いを与えられる子どもは、簡単な問題を選択しがちになり、学習
  効果が上がらない。短期的な達成に報酬を与えれば、長期的な学習能力の向上は考慮
  されなくなるのである。
  外的な報酬が重要視される環境では、多くの人は報酬が得られる局面までしか働かない。
  それ以上は働かなくなる。たとえば本を3冊読めば賞品がもらえるなら、多くの生徒は
  4冊目の本を手に取りはしないだろう。

●賞賛やポジティブなフィードバックは、金銭や賞品よりもずっと害が少ない。

●クリエイティブで右脳的な、ヒューリスティックな仕事に対して「条件つき」の報酬を
  与えると、あなたの立場がおぼつかなくなる。
  結果に対する「思いがけない」報酬を用いるほうがよい、賞賛やフィードバック、有益な
  情報を与えるなら、なおさらよい。

●人には生来、(能力を発揮したいという)有能感、(自分でやりたいという)自律性、
  (人々と関連を持ちたいという)関係性という3つの心理的要求が備わっている。
  この要求が満たされているとき、わたしたちは動機づけられ、生産的になり、幸福を
  感じる。
  (中略)
  「人の性質に”根本的な”何かがあるとすれば、それは興味を抱く能力だ。
  その能力を促進するものもあれば、蝕むものもある」

●従業員の大半は基本的に仕事が嫌いで、できることなら仕事をしたくないと思っている、
  とほとんどのリーダーは考えていた。主体性を欠く従業員たちは、責任を負うことをおそれ、
  ひたすら安全を望み、指示を必要とする。結果として、「組織の目標達成を目指して、
  適切に仕事に取り組ませるためには、ほとんどの者に対して強制し、管理し、指示を出し、
  罰を用いて脅かす必要がある」。
  だがマグレガーは、これとは異なる見解を主張した。
  人間の本質をもっと正確に評価し、組織運営にとってもっと効率的な出発点となる見解だ。
  仕事に興味を抱くことは、「遊びや休息と同じくらい自然」である。
  クリエイティビティや創意工夫の才は、すべての人に広く備わっており、適切な条件の
  もとなら、誰もが責任を感じ、責任を求めさえする。そうみなしたのだ。

(*タイプX=主な動機づけは外的な報酬=モチベーション2.0
   タイプI=主な動機づけは、自主性、やりがい、目的=モチベーション3.0)
●タイプXもタイプIも、金銭面を重視する。
  (中略)
  従業員の報酬が基本的なラインに達しない場合━━所属する組織が適正な金額の給与を
  支払わないとき、あるいは同様の仕事に従事する人と比較して、その額が不公平なとき
  ━━に、その従業員のモチベーションは、著しく低下する。それはタイプXでもタイプI
  でも変わらない。

●「交換条件つき」の動機づけは、間違いなく徐々に高くつくようになる。
  しかし、タイプIの行動は内発的動機に基づいているので、容易に補充できて、
  (太陽と同じく)無害な資源を使える。クリーンエネルギーのモチベーション版と言える
  だろう。安価で安全に利用でき、無限に再生できる。

●タイプIの行動は根本的に、<自律性><マスタリー(熟達)><目的>という3つの要素を
  よりどころとしている。自らの意思で行動を決める。意義のあることの熟達を目指して、
  打ち込む。さらなる高みへの追求を、大きな目的へと結びつける。

●「マネジメントとは、オフィスを歩き回って、社員が出社し、仕事をしているかどうかを
  チェックすることではありません」と、彼はわたしに語ってくれた。社員が最高の仕事を
  できる状況を作り出すことが、マネジメントの本質である。

●父の世代は、人を資源と見ています。つまり従業員は家を建築するときに必要な一律の寸法
  の規格材(ツーバイフォー)なのです」と、ガンサーは語る。
  「わたしにとってはパートナーシップです。従業員は経営資源ではありません。パートナー
  なのです」。パートナーなら、誰もみな自律的に自分の人生を管理する必要がある。

●マネジメント(中略)は、管理される側の人間の基本的性質について、ある仮設に基づいて
  いる。人間の実行や進歩には、後押しが必要だ。報酬や罰がなければ、わたしたちはこれ
  幸いと動かずにそのまま同じところにいつづける。
  また、実際に動き始めたら指示も必要だ。しっかりとした信頼できる指針を与えなければ、
  人間はどこに行ってしまうかわからない。そのようにみなしているのだ。

 だが、これが本当に人間の本質なのだろうか?再びコンピューター用語の比喩を用いれば、
  それがわたしたちの「初期設定」なのだろうか?人がこの世に誕生するときに、受動的で
  自力では行動できないようにプログラミングされているのだろうか?
  それとも、積極的に自発的に行動するようにプログラミングされているのだろうか?

 私は後者だと確信している━━人の基本的な性質は、好奇心に満ちて自発的である、と
  信じている。それは、わたしが無邪気な理想主義者だからではない。
  わたしには3人の子どもがいる。これまで小さな子どもたちと一緒に過ごしてきた自分自身
  の経験から言っているのだ。何に対しても好奇心を示さず、自発的でない生後6ヵ月の赤ん坊
  や1歳の子どもなど見たことがない。
  そう考えれば、はっきりとわかるはずだ。14歳や43歳になって受け身の姿勢や無気力な態度
  を示しているなら、それは人間の本質というより、何かが原因で後天的に設定が変わってし
  まっただけなのではないか?

●先駆けはアメリカのスリーエム社だ。1930年代から40年代にかけて、ウィリアム・マックナイト
  が同社の社長兼会長を務めた。
  (中略)
  マックナイトは、「優秀な人を雇ったら、あとは好きにさせること」という、単純で同時に、
  当時としては革命的な信条を抱いていた。
  (中略)
  スリーエムの技術者は、自分が選んだプロジェクトに勤務時間の15%まであててもよい、と
  いう方針だ。
  (中略)
  やがて肥沃な土地となり、イノベーションという収穫をもたらした。
  その一つが、ポスト・イットだ。
  (中略)
  最近この方針を採用しているもっとも有名な会社は、グーグルだろう。同社は1998年の
  創業直後から社員に対し、1週間に1日、主要業務とは異なるテーマに取り組むよう推奨
  してきた。なかには、その <20%ルール>を既存製品の修理に当てている社員もいるが、
  ほとんどの者は、まったくの新規開発にあてている。

●自分の時間の主導権を握らなければ、自律的な人生を送ることはほぼ不可能だ。

●それが天職かどうか、その人の仕事ぶりを観察する必要はない。
  ただその目を見るだけでよい。ソースを調合するシェフ、
  難しい手術にあたる外科医、船荷の送り状を作成する事務員、
  みな同じように熱中した面持ちを浮かべ、その仕事に没頭している。
  対象物を見つめる眼差しのなんと美しいことか。
                         W・H・オーデン

●自律の反対は統制だ。
  行動という羅針盤において、この2つは対極に位置しており、両者はわたしたちに異なる
  目的地を指し示す。すなわち、コントロールは従順へと、自律は関与(訳注 本来は
  「関与」「絆」などを意味する。最近は「仕事に対する真剣な取り組み」、さらに
  「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係」を指す)へと導く。

●複雑な問題解決には、探究心と、新たな解決策を試そうとする積極的な意志が必要だ。
  <モチベーション2.0>が従順な態度を求めていたのに対し、<モチベーション3.0>は積極的
  関与を求める。それだけがマスタリー、すなわり物事に熟達することを可能にする。

●アスリートそしてのキャリアを通じて、わたしの総合的な目標は常に、現時点よりも
  さらに優れたアスリートになることだった(中略)
  向上がわたしにとってのゴールだった。その結果得たメダルは、ゴール達成に対する
  最終的な報酬にすぎなかった。
                          セバスチャン・コー

●深い満足感を得られ、やりがいがあるからという理由で、その活動をしたいという欲求は、
  アートであれ、科学であれ、ビジネスであれ、創造性を最大限に呼び起こす。
                             テレサ・アマビル

●従業員の”しなくてはならない”ことと”できる”ことが一致しないと、職場で欲求不満
  が起こりやすい。課せられた業務が個人の能力を超えると、不安が生まれる。
  能力以下の業務を課せられれば、退屈になる。
  (中略)
  だが、能力と業務がぴったりと一致した場合には、素晴らしい結果が生まれる。

●マスタリーはつらい。ときには━━いや多くの場合は━━それほど楽しいものではない。
  これは、心理学者のアンダース・エリクソンの研究から得た教訓である。
  エキスパートと言われる人々のパフォーマンスに関する彼の画期的な研究は、マスタリー
  の育成という分野で新たな知見をもたらした。彼によれば、
  「かつては天賦の際だと思われていた多くの資質が、実は、少なくとも10年間の厳しい
  訓練の結果であると判明した」。
  (中略)
  社会学者のダニエル・チャンブリスはこれを、「卓越性の日常化」と呼んでいる。
  彼は、オリンピックの競泳選手を3年かけて調査した。その結果、最善の結果を出す人は
  概して、ほとんどの時間と努力をきわめて地味な運動を繰り返し練習することによって
  レースに備えている(後略)

●「懸命な努力の重要性は理解されやすいが、目標を変えずにたゆまず時間をかけて
  努力を続けることの重要性は、あまり認められていない……どの分野においても、高い
  目標を成し遂げるには、才能と同じくらい根気と根性が重要となる」

●ジュリアス・アービングの言葉だ。
  「プロフェッショナルとは、自分が心から愛することをするということだ。
  たとえどんなに気乗りがしない日であっても」

●これがマスタリーの本質と言える。つまり、マスタリーは漸近線である。
  近づくことはできる。それを目指して進んでいくことはできる。あともう少し、ほんの
  少しで達するほどに接近はできる。しかしセザンヌの苦悩と同様に、”決して”それに
  達することはできない。マスタリーの完全な実現は不可能なのである。

●チクセントミハイの発見のなかでさらに目を引いたのは、娯楽よりも職場でのほうが
  フロー(没頭、ゾーン)の状態にはるかに達しやすいという点だった。
  仕事は往々にして、多くの自己目的的経験の構成要素を含んでいる。
  (中略)
  チクセントミハイは(中略)
  「仕事とは関連性のない『遊び』だけを楽しめて、人生で取り組む真剣な仕事を耐え
  がたい重荷として耐えなくてはならない、と信じる理由はもはや存在しない。
  仕事と遊びの境界が人為的なものだと気づけば、問題の本質を掌握し、もっと生きがい
  のある人生の創造という難題にとりかかれる」

●<モチベーション2.0>は、利益の最大化を中心にしていた。
  <モチベーション3.0>は利益を否定はしないが、「目的の最大化」を同じくらい重要視
  する。

●「営利目的だけではない」企業は、過去50年にわたり流行しているが、口先だけでその
  約束を果たしたためしがない、「社会的に責任ある」とスローガンで謳う企業とはまる
  で異なる。 <モチベーション3.0>の企業の狙いは、倫理に反せず法を順守するよう努め
  ながら、利益を追い求める従来企業とは似て非なるものである。
  利益を目指すのではなく、利益を触媒として、「目的」の達成を目指す企業のことである。

●2009年の春、世界経済は一世代に一度と言われる危機と、それを助長した金融不正行為に
  打撃を受けて揺らいでいた。そのとき、数人のハーバード・ビジネススクールの学生が、
  その元凶はビジネススクールにあるのではないかという疑問を抱いた。
  彼らが憧れていた投資家や企業役員は、実は抒情詩の英雄ではなく、ダークストーリー
  に登場する悪役だと判明した。 
  (中略)
  ハーバーと・ビジネススクールの2年生の一握りの学生たちは
  (中略)
  ビジネススクールらしく戦略を立て、 <MBAの誓い>なるものを考案した。
  (中略)
  この誓いは、冒頭から <モチベーション3.0>と共鳴している。
  「マネジャーとしてのわたしたちの目的は、人と資産を結びつけて、単独では創造できない
  価値を創造することにより、大義のために尽くすことである」
  (中略)
  立案者の一人のマックス・アンダーソンは、この企画の立ち上げに際してこう語った。
  「卒業25周年の同窓会で、わたしたちのクラスがどんなに金儲けしたとか、学校にどれほど
  多額の寄付を納めたかではなく、わたしたちのリーダーシップが世界にどう貢献したかと
  いう点で知られるようになる。それが、わたしの願いです」

●ゲイリー・ハメルは「マネジメントの目標は通常、『効率性』とか『メリット』『価値』
  『優位』『焦点』『差別化』のような言葉で表現される。こうした目標も重要だが、
  人の心をかき立てる力には欠けている」と指摘した。さらにハメルは、ビジネスリーダーは、
  「日常のビジネスの営みに、名誉や真実や愛、正義や美のような、深遠で魂を揺さぶる思想
  を吹き込む方法を探す必要がある」とも語った。

●元労働長官のロバート・B・ライシュが提案した、組織の健全性を測るためのシンプルで
  効果的方法(中略)
  ライシュはこれを「代名詞テスト」と呼んでいる。職場を訪問したとき、彼は会社について
  従業員に何点か質問する。もちろん彼らの回答のないように耳を傾ける。
  だが何よりも、彼らが発言中にどのような代名詞を用いているかに耳を澄ます。
  会社について語るとき、「彼ら(they)」と言っているのか、それとも「わたしたち(we)」
  と言っているのか。ライシュによれば、前者の会社と後者の会社では、まったく異なる企業
  カルチャーがあるという。
  <モチベーション3.0>では、「we」のほうが、使われる頻度が勝る。

●利益が重要でないと言うつもりはない。
  もちろん、重要に決まっている。利益志向の動機は、目標達成の重要な活力となってきた。
  だが、これが唯一の動機ではない。一番重要な動機でもない。実際に、人類史における偉大
  な業績を振り返れば━━印刷機から、立憲民主主義、命に関わる病気の治療法まで━━
  当事者が深夜まで働き続けられるほどの意欲を喚起したのは、利益の追求はもちろんのこと、
  目的が要因となっていた。
  健全な社会、および健全な企業組織は、まず目的ありきなのである。そして、利益を目的
  達成の方法、または目的達成のうれしい副産物とみなす。

●高い成果を上げる秘訣は、人の生理的欲求や、信賞必罰による動機づけだけではなくて、
  第三の動機づけ━━自らの人生を管理したい、自分の能力を広げて伸ばしたい、目的を持って
  人生を送りたい、という人間に深く根ざした欲求━━にあると、科学で証明されている。

●人間は単に、目の前のニンジンを追いかけて走るだけの馬とは違うとわたしたちは知っている。
  子どもたちと一緒に時間を過ごしたり、自分が最高に輝いている姿を思い起こせば、受け身で
  命令に従うだけの従順な姿勢が人間の本来の姿ではないとわかる。
  人間は本来、活発に積極的に活動するようにできている。人生でもっとも豊かな体験は、
  他人からの承認を声高に求めているときではない。自分の内なる声に耳を傾けて、意義のある
  ことに取り組んでいるとき、それに没頭(フロー)しているとき、大きな目的のためその
  活動に従事しているときだ、とわたしたちは知っている。

●より大きな目的を目指して人生の方向性を定める方法の一つとしては、自らを文章で描写して
  みることだ。
  (中略)
  自分の目的について考えるときには、まず大きな質問から始めよう。自分を一言で表す文章は?
  と。

●モチベーションを持続させるためにできることがある。一日の終わりに、昨日よりも今日は進歩
  したかどうか、毎日自分に問いかけるのだ。
  (中略)
  小さな進歩を探すようにしよう。
  (中略)
  毎晩眠りにつく前に、小さな質問をしよう。昨日よりも、今日は、進歩しただろうか?と。

●今度、「しなさい」とか「すべき」というような言葉が出そうになったら、「考えてほしい」
  とか「検討してほしい」と別の言葉を使うようにする。言葉を少し変えるだけで、相手をただ
  従わせるだけではなく、積極的に関わるように促すこともできるのだ。

●「この会社の(あるいは組織の)目的は何か?」
  という質問の答えを記入してもらう。カードを回収し、声に出して読み上げる。答えはどれも
  似通っていて、誰もが共通の目的に沿っているだろうか。それとも答えはバラバラで、まったく
  異なる目的が挙げられていたり、目的が何なのか見当すらつかない者もいたりはしないだろうか。
  企業文化や団結やミッションについて語っているわりに、大半の組織は、目的の評価に関しては
  かなりお粗末である。

●ミッションの共有ほど、チームの絆を強めるものはない。
  何か途方もないものを創造することでも、競合他社を圧倒的にしのぐ成果を出すことでも、
  あるいは世界を変えることでも何でもいいが、共通の目的で結びつくほどに、グループは心から
  満足できる素晴らしい仕事を成し遂げるようになる。

●リンカーンは自信を抱いていたので、自分が不得意な領域に長けたライバルたちを側近として
  重用していた。

●コンピューターと同様に社会にも、人を動かすための基本ソフト(OS)がある。ほとんど表面
  には現れない、すべてを司るインストラクションとプロトコルのことだ。
  人間最初のOS━━ <モチベーション1.0>と呼ぶことにする━━は、生存を目的としていた。
  その後継である <モチベーション2.0>は、外的な報酬と罰を中心に構成された。
  これは、20世紀のルーチンワークには有効だった。だが21世紀を迎えて、 <モチベーション2.0>
  は、わたしたちの組織、仕事に対する考え方やその手法とは、互換性がないことが明らかに
  なってきている。
  アップグレードが必要である。




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